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最後のワークスのはじまり
先週から第9期WORKSがスタートしている。
今期は定員いっぱいの8人での船出である。

以前からお伝えしているように、茅ヶ崎でのノグチ靴工房としての活動は今年が最後となるので、当然WORKSも茅ヶ崎では最後のクラスとなる。
今期も初日のオリエンテーションで恒例となった道具箱と簡易ハイトゲージ(足指等の高さを測るモノサシ)を作り、早速次の日から足の採寸に実技を進めてゆく。最低でも15カ所からの足の数値を計測し、木型は特殊なロウを盛りつけて補正・修正してゆくのである。

僕が茅ヶ崎校で指導できるのは今期限りなので、普段はあまり重要視していない1年間でカリキュラムを修了することに少し主眼を傾ける必要があるだろうと思っている。まあ、課題を残したとしても埼玉の新しい工房にも通うつもりでいるなら自分のペースで進めてもらって構わないのだけれど。

さて、来年の春はどうなっていることだろう。


 
| works | 11:23 |
素朴な質問に対する厄介な回答
あっという間に2月に突入。
ワークスの説明会は全日程を終了し、今期ワークスの願書受け付けも2月いっぱいで終了となるだろう。
茅ヶ崎でのクツ教室はあと11ヶ月あまりになった。(ワークスは来年3月まであるけど)
月に1回の更新だといよいよカウントダウンという体なので、湘南最後の年はもう少し更新できるといいなと思っている。

さて、ワークス関係である方にご相談を受けた。
ノグチ靴工房か都内のある靴教育機関に通おうか迷っているので、アドバイスが欲しいという内容であった。
今の時期に参考になる方もおられるのではないかと思い、お返事した内容を多少加筆・修正して再録しておきたいと思う。
今期のノグチ靴工房ワークスに通うと決めた方にも是非読んで頂けると良いなと思う。


こんにちは。

どちらの学校に通うのが良いかアドバイスを、と言われると少し困ってしまいますが、
少々僕の考えを述べさせてもらうことで進路の参考にして頂ければと思います。

以前、僕が木型の勉強で靴工房ヒロを選んだ理由は、
それは、僕(ノグチ靴工房)にはまだまだ及ばない知見が靴工房ヒロにはあると思われたことと(通っていない時点では本当にあるかどうかは分からないのですが)、
主宰者の斉藤先生の探究心や向上心は尊敬に値すると日々感心していたからです。ご教授頂いていた期間の人柄も「先生」と呼ばれるに相応しい人でした。当時は、必ずや自分の未来の糧になるだろうことを学べるという確信を持って通っていたことを覚えています。

一方で、モゲ・ワークショップのモゲさんの話をさせて頂くと、
僕が卒業した当時のモゲ・ワークショップでは、正直言って技術的な知識や経験が不足しているだろうところは多少あったと思います。
学生時代は毎日のように怒られて今でもまだ恐い存在ですが、僕がこの道(手づくり靴)を目指すきっかけとなった、いわゆる指導者(導き手)としての存在は大きく、モゲさんの影響が、その後の靴への考え方、社会での価値観の捉え方や自己の思想・理念を構築する上での礎になっていることは間違いありません。
その点から言うと技術的に少々不足があろうとも、僕にとっては「師」と思える人に変わりはありません。

何が言いたいかというと、
結局はその人が「先生=師」たり得るか(良い学校かどうかもそうです)ということは、自分次第ということです。
そしてその人が自分の「導き手」だと確信したら、信じてやり抜くことです。
結局、教え手や学校の善し悪しの評価は、自分自身が達成したり成就させたりした結果、やはりあの先生(学校)を選んで間違いはなかったと事後的に確認することでしか成し得ないのです。
事前に行く先がぼんやりとしか分からない状況で、「いざ靴職人になれなかったらどうしよう。」そう不安に思う人もいるかもしれません。
でも本当はすごく単純なことです。
「靴職人になれるまで靴職人になることを諦めなければいいのだから」


あとは信じた道を進むだけです!

というようなことをお返事した。
聞かれたことに直接答えていないし厄介だなと思うかもしれないが、
この道を目指す者なら考えて欲しいことなので、煩わしく思われるのを承知で書いてみた次第である。
何か感じてもらえるとうれしいけど。

 
JUGEMテーマ:学問・学校
| works | 19:04 |
湘南最後のワークス
 第9期ワークス(2014年度)の募集要項と説明会の日程をHPにアップした。
来年度で9回目のワークスを迎えることになる。

ブログを見て頂いている方はもうご承知だと思うが、2015年の春から茅ヶ崎から郷里の埼玉に拠点を移す予定である。そうなると第10期ワークスは埼玉で開講となる計画なので、茅ヶ崎で教えるワークスは来期が最後ということになるだろう。

茅ヶ崎近郊の方で、ノグチ靴工房で靴づくりを学びたいという人は来期がラスト・チャンス。
でも、ワークスに通うために広島から単身上京したりする生徒もいるので、「やる」という強い気持ちがあるのなら、工房の場所がどこであろうと関係ないのだけれど。


| works | 12:34 |
夏の工場見学
 ワークスは早くも4ヶ月目に入り、一枚甲(one piece)から外羽根(oxford blucher)へと課題を進めているところである。

そして、今年も恒例の革のタンナー&浅草材料卸し巡りの夏がやって来た。
毎年、7月の第5週目から8月一杯はクツ教室が夏休みに入るので、その間を利用してワークス諸君を現場研修に連れてゆく手はずなのである。

工場見学は、現在も東京墨田区にいくつか残っている革のタンナー(革を鞣すところ)を尋ねる。毎年お世話になっている山口産業という会社で、当方は主にライニング用としてタンニン鞣しの豚革を仕入れている。人や環境にもやさしい植物タンニンで鞣した革で、手触りや雰囲気も良く、当工房にはなくてはならない革の一つなのである。

見学を終えると浅草に移動する。

少しずつ衰えを見せているとは言うものの、まだまだ浅草が日本の靴製造関係ではメッカである。関西方面にいる靴職人でも浅草から仕入れているものがあると聞いたことがあるくらいに、神奈川にいても靴材料を調達するのはもっぱら浅草なのである。

この陽気だと今回も暑さ厳しい現場研修となりそうなので、みなさん無理をしない程度にがんばりましょうね。
| works | 11:56 |
木型補正
works/木型補正
 今期のワークスが始まって1ヶ月が経った。
まだまだ一足目の課題靴に取りかかったばかりだが、現在までの経過をご報告しておこうと思う。

まずは足の採寸。
「足がなければ靴は作れない」が手づくり靴の「テーゼ」だと考えることからも、一番最初にする作業は足の採寸である。
工房ではスクライバー(足の輪郭をそのままの寸法で紙の上に描ける道具)を使って足の輪郭を取り、15箇所以上のポイントをメジャーで採寸する。その採寸シートに足の状態(骨の突出、内反・外反など)を書き入れたものをカルテと呼んでいる。

カルテの上に木型を置いて、足の中心線(アキレス腱の付け根の中心と第2趾を結んだ線)と木型の中心を合わせる。足の中心線を引く時に踵の頂点を中心に取るのは間違えである。
踵骨が内反や外反している場合は踵の肉が内外に偏っている場合があるので、アキレス腱が着いているところで中心を取る方が直接踵骨の位置を把握することができると考えるからである。

さて、本題の木型補正に入るとしよう。

木型を足の寸法に合わせて補正する場合は、革やコルクを木型に貼って削るのがこれまでの一般的な方法である。
注文靴などを作る殆どの工房はそのやり方で木型を修正しているだろうと思う。当工房でも以前までは革を貼り付けて修正をしていたが、現在はロウを使った方法に切り替えている。
ロウを使う方法は東京墨田区にある自作工房ヒロさんが始めたもので、微細な寸法が盛れることや、木型の形も自由自在に変えられることが従来の方法よりも優れている。また、ロウは再生可能でゴミが出ないことや接着剤などを使わなくて済むので、大変クリーンな技法であるのもアドバンテージである。

そんないい方法があるのにロウ補正がなかなか広まっていかないのは、従来の靴業界の閉鎖的で排他的な体質に寄る所が大きいのではないかと推測するのである。

当方は伝統や威信とはおよそ無縁の靴工房なので、良い方法や革新的な技術があれば喜び勇んで使わせて頂くのである。

これからもワークスの進捗状況は折に触れてご報告してゆくのでお楽しみに!



| works | 17:09 |
第7期修了
 先月の22日(金)で第7期ワークスの一年間が修了した。

一年を労って、毎年同じで申し訳ないが、サンドイッチとスパークリングワインでランチという運びとなった。ただ今年のワインは、友人のご親戚夫婦が山梨で営んでいる「キザン」というワイナリーのもので、甲州ブドウのスパークリングだったことが細やかながらもスペシャルであったことをお伝えしておこう。(スッキリ爽やかな口当たりで、お酒がさっぱりな僕でも飲めてしまう危険なワインである)

さて、課題を残した生徒は、4月から引き続きワークアップとして工房に通うことになる。
7期は全員が少しずつ課題を残したようであるが、それはそんなに大きな問題だとは考えていない。
靴づくりなんて自分の知らないことだらけ。僕はmoge workshop時代から含めるとまる15年この世界に身を置いているが、まだまだ知らないことが山ほどあり、日々新しい技術が進歩していることも考えると、自分が靴づくりに関して「何かを」知っているとは、恥ずかしくて揚言すようなことはできない。
一年間で課題が全部修了したので優秀だとか、その学年を首席で卒業したなどと言うことを憚らないのは、手づくり靴を2〜3年の短いスパンで考えている人である。
靴づくりは日々の生活を支える仕事であるとともに、人生をどう生きるかという「生き方」の表現でもあるとワークスの説明会で伝えているように、手づくり靴は一生勉強であり、これからの長い人生を一緒に歩んで自分自身の存在を問うパートナーでもある。

そういう長い射程でものごとが考えられる力(それが手づくり靴を続けてゆくために重要だと思っているから)というものを、当ワークスでは一年をかけて教えているのであると言っても過言ではない。

来週からは、第8期のワークスがもう始まろうとしている。


| works | 20:22 |
ハンド・ソーン・ウエルテッドの評価
 ワークスの授業中にハンドソーンウエルテッド(複式手縫い革底製法)のやり方は教えてもらえないのですか?と質問があった。
その時は「時間がもったいないのでやりません!」と答えただけで説明が不十分だったので、その理由と、ハンドソーンとセメンテッド(接着靴底製法)の違いに見るハンドソーン製法の私的評価を記しておこうと思う。(長文ゆえ、お暇な方はどうぞ!)

前提として、当工房ではワークス(専門科)もクツ教室も基本的にはセメンテッド製法(接着靴底製法)で靴を作っている。ただ、クツ教室ではやりたいという人がいれば、ハンドソーンウエルテッドもステッチダウンもアンズ縫いも(すべて手縫いで靴底をつける製法)、僕の教えられる限りでお好きなようにやって頂いている。

ではなぜワークスではハンドソーンウエルテッドをやらないのか?

はじめに説明しておきたいが、ハンドソーンとかセメンテッドというのは、端的に言うと靴底の付け方である。それが製法という語尾が付いて呼ばれるのでそれぞれの製法で作られた靴には決定的な違い(優劣)があるように思われている人が多いが、決してそうではない。
靴を作るには数多くの工程があり、足の採寸からはじまって、木型補正、型紙、革の裁断、製甲、つり込み、底付けなどで、それぞれがさらに細かい工程に分かれているのである。
つまり、ハンドソーンもセメンテッドもあまたある工程の内の、一つの底付けの方法ということなのである。

一方で、ハンドソーンはセメンテッドに比べて、糸で縫い合わせる構造によって足に馴染み、通気性もあるので履き心地が良いとか、糸を切れば底材が剥がれるので修理がしやすいというところが優れているという人がいるが、それもちょと違う。
昔のように糸だけで底が縫い付けてあればそういうことも言えなくはないが(ほんとは靴全体の革で伸縮性や通気性が十分確保されるので、セメンテッドや他の製法が履きにくくなる訳ではない)、現在のハンドソーンは底材を接着剤でベタ貼りしてから縫い付けるので、結局セメンテッドに縫いが追加されているのと変わらなく、縫っていることでの通気性や修理のしやすさに関しては思っている程のアドバンテージはないのである。

ここまで言うと、ハンドソーンが嫌いでケチをつけている人のように思われそうだが、決してハンドソーンがダメだと言っている訳ではない。一つの作業技法であること以上の何物でもなく、リアルでクールな検証無しに、誰かが言うままに美化したり信仰したりすることが問題だと言っているのである。

ただ、決定的な違いがあるとすればそれは何か、僕が考えるにアッパー(甲部)とソール(底部)との接点の違いである。
セメンテッドは接着なので面、ハンドソーンは縫いなので点で底材と繋がっている。

人が歩く時、くつは親指と小指の付け根(ボールジョイント)で曲がる。
底材がゴムやスポンジの場合は靴が曲がったときの伸びをソール側が引き受けてくれるので、セメンテッドだろうがハンドソーンであろうが靴の履き心地にさほど違いは出ない。
しかし、底材が革(レザーソール)の場合であるが、靴を曲げたときに革底は伸びないので、その歪みをアッパー側が引き受けて縮んであげなければ突っ張ってしまう。
ことに革底においては、アッパーとソールが面で接しているセメンテッドよりも、点で接しているハンドソーンの方に分があると言って良いと考えられるのである。

ハンドソーンは独自な道具の使い方や縫い方など、靴づくりの技術の幅を広げる上では有用な技法だと思う、がしかし底付けの一つの方法である。
セメンテッドが分かればとりあえず靴は作れるので、一年しかない貴重なワークスの時間を、足のバイオメカニクス(足と歩きの構造力学)や木型の補正・修正法(パンプスとローファーの木型はなぜ違えないといけないか)などの事項に割きたいということなので。

ゆえに、ワークスのカリキュラムにハンドソーンの底付けはないのである。
どうでしょう、お解りいただけたでしょうか?

| works | 09:16 |
WORKS説明会はじまる
 先日7日の日曜日から、第8期ワークスの説明会が始まっている。

これから月1回ずつで2月まで、合計5回の説明会をする予定である。
一回分の出席者はだいたい4〜5名なので、毎年20人くらいの人がこの小さな工房に興味をもってくれている計算になる。
その内4月からワークスに入学するのは通常7〜8人なので、説明会に来た4割弱くらいの人が実際に工房に通っていることになる。

他の学校の数字を詳しく見た訳ではないが、随分高い確立だろうなと思っている。

というのも、当方の説明会を聞きに来る人は、大抵他の靴専修学校と見比べた上で説明会の申し込みをしてくるはずで、こんな小さな工房で、他の学校と比べて卒業しても何の免状(靴を作るのに一切何も資格は必要ないが)をもらえる訳でもなく、就職の斡旋や留学の手配をしてくれる訳でもない所であるので、敢えてそこを見に来ようという人は、もうその時点で他の一般的な製靴学校に入学するだろう人達とは明らかに違うのである。

また、普段は説明会に来た人達だけに伝えているワークスの開講曜日と時間があるが、この場で開示してしまうと、週の水曜日から金曜日の平日の3日間で、午前10時から14時という昼間ど真ん中の時間帯である。
約半分の参加者はそれを聞いて少し落胆する。仕事終わりで夜の時間帯や週末土日限定のクラスはないですかと質問されることが説明会ではしばしばある。

僕は、仕事をしながら靴を習うのがダメだと言っている訳ではない、週末だけ教えるような学校を揶揄している訳でもない。

ただ、この手づくり靴で独立して仕事として成し遂げたいということになれば、いつかは自分の両手に少しの道具を携えて、何が出るかも分からない原野にエイヤッと身ひとつで飛び入るようなものだと思うのである。

「あなたにとってその時はいつですか?」

その問いに「今です!」と応えた人だけ、この小さな工房の門を叩くのであろう。





| works | 18:17 |
第8期WORKS
 来年度で第8期WORKSの募集要項と説明会日程をアップしました。

ワークスへの参加を希望する方、「手づくり靴」の仕事ってどんな事をしているのかただ興味があるだけという方でも参加OKです。

是非ホームページをチェックしてみてください。

| works | 12:17 |
夏休みの工房
 本日でワークスの工房開放Weekが終了。

タンナー(革を鞣すところ)見学と浅草靴資材卸ツアーではじまった一週間。
連日の猛暑でみんな体力を奪われたことでしょう。

お疲れ様でした。
| works | 17:32 |
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