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木型補正
works/木型補正
 今期のワークスが始まって1ヶ月が経った。
まだまだ一足目の課題靴に取りかかったばかりだが、現在までの経過をご報告しておこうと思う。

まずは足の採寸。
「足がなければ靴は作れない」が手づくり靴の「テーゼ」だと考えることからも、一番最初にする作業は足の採寸である。
工房ではスクライバー(足の輪郭をそのままの寸法で紙の上に描ける道具)を使って足の輪郭を取り、15箇所以上のポイントをメジャーで採寸する。その採寸シートに足の状態(骨の突出、内反・外反など)を書き入れたものをカルテと呼んでいる。

カルテの上に木型を置いて、足の中心線(アキレス腱の付け根の中心と第2趾を結んだ線)と木型の中心を合わせる。足の中心線を引く時に踵の頂点を中心に取るのは間違えである。
踵骨が内反や外反している場合は踵の肉が内外に偏っている場合があるので、アキレス腱が着いているところで中心を取る方が直接踵骨の位置を把握することができると考えるからである。

さて、本題の木型補正に入るとしよう。

木型を足の寸法に合わせて補正する場合は、革やコルクを木型に貼って削るのがこれまでの一般的な方法である。
注文靴などを作る殆どの工房はそのやり方で木型を修正しているだろうと思う。当工房でも以前までは革を貼り付けて修正をしていたが、現在はロウを使った方法に切り替えている。
ロウを使う方法は東京墨田区にある自作工房ヒロさんが始めたもので、微細な寸法が盛れることや、木型の形も自由自在に変えられることが従来の方法よりも優れている。また、ロウは再生可能でゴミが出ないことや接着剤などを使わなくて済むので、大変クリーンな技法であるのもアドバンテージである。

そんないい方法があるのにロウ補正がなかなか広まっていかないのは、従来の靴業界の閉鎖的で排他的な体質に寄る所が大きいのではないかと推測するのである。

当方は伝統や威信とはおよそ無縁の靴工房なので、良い方法や革新的な技術があれば喜び勇んで使わせて頂くのである。

これからもワークスの進捗状況は折に触れてご報告してゆくのでお楽しみに!



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